システムエンジニアにうつ病が多い理由

システムエンジニアには、うつ病を発症する人は少なくない。どのような職業であっても、人間関係や業務内容からうつになってしまう人はいるものであるが、システムエンジニアの場合、精神的な病が原因となって休職や中途退社をする人が非常に多いのである。

その原因は、IT業界の特徴に所以する。第一に、デスマーチなどと呼ばれる長時間労働の常態化や、深夜勤務などの極端なスケジュールでの勤務が当然のものとされている点が考えられる。十分でない睡眠時間や食事が疎かになりがちなため、精神的な部分の前にまず肉体的にダメージが蓄積しやすいのである。

第二にプロジェクトを推進する上で、特定の人物に責任が偏りやすいことが多い点である。通常、システムやアプリを構築する場合、様々な技術を持った人材がチームを組んで行うが、必ずしも自身の経験やスキルに見合ったものを渡されるわけではない。この時、担当者の経験のためやスキルアップのためではなく、過剰に厳しい案件を任されることもある。それをやりがいと感じる人もいるかもしれないが、重責によって心のバランスを崩してしまう可能性も否めない。また反対に、あまりに簡単な業務を担当することになり、自分の価値がないと不必要に自身を追い込んでしまう場合もある。

このように、エンジニア・技術者という側面が大きく、適切と思える業務を担当することができないことが多いため、うつ病を発症する人が多い。